アレックスモールトン改造

今回のご依頼品は?

ご依頼者とはひょんなつながりからこの度Alex Moultonの改造のご依頼をいただきました!

 

実は、わたくしダーチーことチダはアレックスモールトンはじめ小径車の知識がありませんのでお電話でお話しいただいたときには少しドキドキしたものです。

 

ご依頼者さまと膝をつき合わせて作業内容を確認させていただき、部品の在庫、技術レベルともに対応可能と判断しましたのでフレームの改造を受けさせていただくこととしました。

まずはよく観察することから

さて、今回のご依頼内容はダブルレバー台座を外し、その上で右サイドのチューブ延長線上にアウターケーブル受け(アウターストッパー)の取り付けです。

 

完成車で見れば、この作業は何を意味するのか容易に想像できますがレストアベースに分解されており、特に形状が複雑かつ見慣れていないアレックスモールトンとなるとこの部品が自転車フレームとして何を意味するのか観察してみます。

 

ふむふむ。。ご依頼時はダブルレバー台座が3つ付いたのが理解を迷わす原因でしたが、今回のパーツはヘッドチューブとなり、上段の台座をダブルレバー用として、下段の台座にSM-CS50などパーツを付けリアブレーキワイヤー受けとして使っていたのでしょうか。

 

アレックスモールトンにこのようなプロダクトがあったのか不明ですが、ダーチー的感覚では機能的に美しくないことを考えると、前オーナーが何を考え改造したのかという想いに馳せます。

 

お間違いないように一言付け加えるなら決してこのような改造は嫌いではありません。自転車ミュージアムに展示するような逸品や思い入れのある一品以外の自転車を床の間に飾るようなら、オーナー様がその自転車で何をしたいのか、どう遊びたいのかに合わせてスペシャルな改造をしガンガン乗ることはむしろ好きです。これは作り手としての想いでもあります。あしからず。

作業イメージがわいたら

ではさっそく作業の開始です。まずはダブルレバー台座を取り外して行きます。

ダブルレバー台座は銀ロウでロウ付けされており、銀ロウの溶融温度は700℃±100℃ですのでホームセンターなどで入手できるカセットガスタイプのガストーチでも対応可能でしょう。逆に言えば銀ロウのみでロウ付けできれば高圧ガスがなくとも自転車フレームは作れるってことですね^^。

 

話はそれましたが、ご依頼者さまもガストーチで頑張られたようですが、だいぶ根気が必要だったようでアウターストッパーを付けるなら同時にと判断されたようです。

 

「部品を外して」「はい外しました」では仕事ではありませんので作業時間の限り仕上げをさせていただきました。

 

次にアウターストッパーをロウ付けし、仕上げをして作業完了です。

作業後記

最近は、ありがたいことにクラシックフレームの改造・修理のご相談をいただくことが増えました。

 

クラシックフレームを拝見させていただくと、自転車フレームの歴史の中にどのような技術が考えられ、作られてきたのか垣間見ることから私(フレームビルダー)自身の知識とさせていただいております。

 

先にも少し触れましたが、特別な自転車以外は床の間に飾るよりもガンガン乗ってあげて欲しいので、そのために今回のような改造についてもできる限りお手伝いさせていただきたいと考えておりますが、オーナー様のやりたいことへの実現性を判断するためにも大変ご面倒ではございますが一度モノの状態を拝見させていただき、その上でどのようにしたいのかご要望をお聞かせいただけると可能性が増えてきますのでご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

ダーチー